男性の頭─面取り
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図9にあるような面取りを覚えたら、図10に示した要領で、頭を傾けてみて、そこで見える面取りを取り入れてみてください。これらの面取りを身につければ、図11に示すような、パースの練習に取りかかれるようになります。ボールと顔面平面の作図をマスターし、正しい配置と作図線を覚え、面を組み合わせることができれば、頭を上手に描くことができるようになります。これでようやく、あなたは絵を描くうえで数多ある難点を自分で発見し、基本的なデッサンならば自分で修正することができるようになったはずです。多くの肖像画は、描き始めてから何日も経ってから、基本的な構造に欠陥があることに気づきます。目や鼻、口など、どこかをずらさないと、そっくりにならなかったり、描きたい表情にならなかったりしてしまいます。そこで、作図のとても良い勉強法として、だれかの頭の写真の切り抜きに作図線を引き、すべてのパーツの配置を確認するというものがあります。自分で構造を一度でも理解すれば、理解できていない人たちを尻目に、構造が嫌でもよくわかるようになります。非常に腕のいい絵描きでも正しい作図の方法を知らず、その結果、何時間も余計に苦労してしまっている人もいます。頭を描く確かな知識は、どんな「コツ」にも勝るのです。
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