少年少女の頭─小学生
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図67. 小学生の男の子の頭の比率
8〜12歳の子供は、とても幼い子供や大人よりも描くのが難しいです。この頃になると、顔のパーツはかなりしっかりと成長してきて、中にはとても大人びた顔立ちになっている子もいます。しかし、この年齢を示すための、なかなか頼りになるコツがあります。目の位置が上がって頭の半分の高さの線(横半分線)に接し、生え際から頭頂部までの間の長さは大人と同じ2分の1単位でなく、4分の3単位になっています(※単位についてはp. 40の図18を参照)。大人では横半分線は目の真ん中を通り、目尻を通って外に抜けますが、もうすぐ中学生になる子供では目全体がこのラインより下にあります。顔の下半分を4つに分けたとき、鼻は2番のスペースよりまだ少し上にあります。下唇は3番のスペースの線に接しています。
男の子の場合は、耳がかなり発達してきます。口元には、赤ちゃんの面影はあまりありません。乳歯に代わって永久歯が生え、あごはそれに対応するように発達します。鼻の穴が発達し、鼻の軟骨が広がります。鼻梁(鼻筋)の骨の発達はやや遅いので、中学生になるまで鼻が上を向いている男の子も多いようです。
そばかすができるのもこの時期です。また、表情にあらわれているように、いたずら好きで、気楽な性格の年頃でもあります。髪は乱れ、前歯は大きく見えます。下あごの前の部分が発達する一方で、耳の下にある下あごのうしろの角の発達は遅れています。大きな四角いあごは、他のどんな顔のパーツよりも、成熟した印象を与えます。顔を幼く見せたいのなら、下あごの角を丸くしてください。
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