少年少女の頭─小学生
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子供を描くとき、あるいは写真を撮るときでも、自分が大人であることを忘れてください。一生懸命、彼らの世界に入りこんで、彼らを気楽にさせるのです。もしあなたが絵や写真で子どもの心を伝えることに興味があるなら、あなたを怖がっている子や、あなたを閉め出すような子は、自分らしくあろうとはしていないので、いいモデルにはなりません。その心は、権威から解放されたときにだけ、彼らの表情にあらわれるのです。権威の前に直面したときの、子供たちの顔の変化を見てごらんなさい。私は権威そのものを否定しているわけではありません。ただ、権威というのは写真写りが悪いですし、子供が怒ったりスネたりしては、もちろん魅力的な写真にはなりません。
比率についてはもう十分説明しましたので、図67と図68から比率を学んで、それを小学生の顔に適用するとよいでしょう。比率を理解することは有用ですが、単にそれを正しく理解することが最終目的ではありません。
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