赤ちゃんの頭
図52. 赤ちゃんの頭の比率─2年目と3年目
2年目と3年目には、一番上の4分の1のスペース(私はこれを1番のスペースと呼んでいます)のおよそ半分のところに目があります。鼻と口も上がってきて、眉は頭の横半分線より上にあるように見えます。唇はちょうど3番のスペースの底に触れています。耳は横半分線にはとどきませんが、顔は3つのスペースに分かれており、髪の生え際から眉、眉から鼻の付け根、鼻の付け根からあご先の3つになっています。実は、この3つのスペースはまだ互いに寄りあつまっている状態であり、これからそれぞれのスペースはこの3分割の比率を保ったままさらに成長していきます。耳はまだ、眉のラインと中央線が交わる、頭の真ん中の十字よりかなり下にあります。図の左側の絵の右半分に描いてある、3つに分割された線に注目してください。
赤ちゃんや子供を描くときは、大人の顔を描くときに使う3分割よりも、4分割の方が描きやすいようです。実際の頭は小さいですが、顔のパーツの間隔は頭の大きさとくらべて見れば、大人のそれよりも広いです。目の間隔は広く、上唇は長く、目から耳までの間隔もとても広く見えます。このような比率と格闘することで、赤ちゃんを小さなおじさんではなく、赤ちゃんのように見せることができるのです。赤ちゃんがリラックスしているときは、口はもっとすぼめています。上唇は頂点に向かってするどく立ち上がり、ふつうは突き出ています。あごは小さくかなり下に位置しており、あごの下に少し脂肪がついていることが多いです。赤ちゃんの耳は、かなり小さいものもあれば、とても大きいものもあり、実にさまざまです。耳は丸みを帯びていて、顔にくらべて太く見えることが多いです。赤ちゃんの眉は、ふつうは、淡くて細いか、ほとんどないことだってあります。黒髪の子供ならば、眉はもっとはっきり見えます。鼻はふつう小さく、上向きで、かなり丸いです。鼻梁(鼻筋)はまだ発達していないため、かなり丸いです。ほっぺは伸びていてふっくらとしています。
p. 95