女性の頭
p. 79
どういうわけか、女性の頭にわずかに現れる男らしさというのは、男性の頭の丸みや女性らしさよりも、ずっと受けいられられています。ファッションの専門家は、まったくの女性的なタイプよりも、痩せた顔、角ばったあご、骨ばったタイプのモデルを選ぶことが多いようです。ファッション誌に載るほどスリムな体型を手に入れるには、骨ばった顔が必要なのかもしれません。どういうわけか顔の骨格は、男性同様、女性にも個性を与えるようです。おそらく私たちの多くは、細さを手に入れて維持するのが難しいため、ふくよかさよりも細さに憧れるのでしょう。その点においては少なくとも、昔の巨匠たちの時代から私たちは変わってきています。
このように、女性を描くときには、男性ほど強調しないにしても、やはり面を意識しなければいけません。図42は、同じポーズの男性の頭と女性の頭を対比させたものです。どちらも面の感覚がはっきりしていますが、男性の方が強調されていることに注意してください。また、口や鼻のあつかいは、女性の方がよりデリケートであることにも注意してください。このように、女性にはなめらかさや丸みが基本的なところで結びついていること、逆に男性には四角さや骨張ったことが基本ということを、私はここで強調しておきたいのです。男女いずれの場合においても、どの要素を強調するかは、被写体に対する個人的な感情で決まります。図44はブロック感が女性の頭にどのように当てはまるかを示しています。
p. 79