少年少女の頭─小さな子供
p. 107
子供を描いているときの、子供に対する気持ちは、作図や解剖学のルールと同じくらい大切です。子供の髪に当たる光は、丘の斜面に当たる光と同じくらい美しく、興味をそそられると思います。私たちは少年の目の完璧な解剖学の構造ではなく、少年の目にきらめくイタズラ心を描いているのかもしれません。
テクニックに没頭するあまり、目的を見失ってしまうことはよくあることです。テクニックには精神と結びついていなければなりません。なぜなら、精神なきテクニックには意味がないからです。しかし、テクニックや、テクニックに裏打ちされた知識なしには、感情は伝わりません。
デッサンや絵画、その他あらゆる造形表現のうちの一つ一つのすべての分野が、全体のデザインを構成するもののうちの一つであるべきです。デザインと制作計画の観点から見れば、光と影、エッジ、質感と素材などはすべて、他の分野と同じ序列で考えてもいいのです。頭を描く場合、髪のパターン、頭から落ちる影、服装すべてがデザインのきっかけになります。顔の光と影は、良かれ悪しかれ、意識するしないにつけ、デザインを生み出します。頭は、フォルムが組み合わされたデザインであり、機能的にも芸術的にも最高傑作と言えるでしょう。
p. 107